「働かないほうが勝ち組」という視点

匿名掲示板「2ちゃんねる」の創設者ひろゆきが、2月1日、新聞報道を引用する形でこんなツイートをした。
《働いてると払う罰金の額が、また上がりますよー。働かない方が勝ち組の価値観が、ますます加速しますね。》
 働くと払う「罰金」とはなにか。ひろゆきが引用したのは、「雇用保険法改正案を閣議決定」という記事。改正の目的は、雇用保険料の引き上げだ。

冒頭のひろゆきのツイートに対し、SNSでは以下のような賛同が大量に書き込まれた。・・・

《好きでもない事をして働いて、罰金を支払う世の中。働かなくなりますよね》 《お給料は上がらないのに罰金は上がる…ほんと庶民はその日その日を生きてくので精一杯だ》 《働いてさらに子育てまですると凄まじい額の罰金を支払わされます。(中略)所得制限で教育費も奪われるって日本は終わっています》

ひろゆき「働かない方が勝ち組」に賛同集まる…雇用保険の引き上げで「日本終わってる」の声

全くそのとおりでしょう。ただし、大量の書き込みに関しては、「今更そんな文句言ってるようじゃ遅くね」 というのが、僕の正直な感想ではあります・・・

まず、日本では、骨身を というか心を削って大手企業で一生懸命働いても、平均給与は驚くほど安いんですよね。

「日本を代表する大企業の給料って、こんなに安いの!」驚きの声がネットからあがった。
日本経済団体連合会(経団連)が2022年1月18日、春闘前に毎年恒例の会員企業の平均給与を調べた「2021年6月度『定期賃金調査結果』」を発表したのだが、ここにある平均賃金「月額39万1408円」という数字に評価が分かれた。

大企業の平均給与「月39万円」ってどうなの!? 経団連調査に驚きの声…これでは賃上げ無理?

首都圏で自宅と家族を持って、しかも子供が私立とか行ってたら、ちょっと生活成り立たないんじゃないですかねえ・・・

そのうえで、「罰金」が増えるのは、何も雇用保険だけじゃありません。健康保険、介護保険もです。さらに罰金ではないけれど、ガソリン、食料品、etc.値上げの嵐です。

ガソリン、食料品、高速道路など続々と値上げ
どうやら、この国の為政者たちは国民生活が苦しくなることに“痛みを感じない”らしい。
すでに原油価格の上昇などにより、物価の上昇が続いているが、実質的な給与所得の減額につながる社会保障費などの引き上げは、これからが本番だ。

本当の“生活苦”はこれから…ニッポンの高齢者を苦しめる「おカネの三重苦」
物価上昇、社会保険料増加、年金減額

まあ、ガソリンや食料品の価格上昇は、日本の国力が衰え(国際競争力が衰え)ているのに加え、輸入に頼る国で円安が進んでいるからですし、雇用保険や社会保険料が上がるのは、予算を使い切ってしまったからで、一応理屈はわかります。使い方に賛否はあるけど。

しかし、この国の本当の問題点は、訳分からん理由で「罰金」を増やし、しかもそれを国会(一応国民の代表の集まりということになっております)で討議する機会もなく決定されるという、ズルすぎて意味分からんシステムが国家中枢で動いているところかと。クルマの自賠責保険値上げです。

加入が義務づけられている強制保険の自賠責は、「ノーロス・ノープロフィット(損も得もしない)の原則」が適用されており、事故件数が減って、保険料収入が保険金支出を上まわると保険料が下がる仕組みになっている。
 実際、2020年4月からは平均で16.4%も引き下げられ、2021年4月1日からはさらに平均で6.7%の引き下げがあり、2年連続の値下げが続いていた。


値上げということは、事故が再び増え出してしまったのかと思うがさにあらず。じつは事故件数とまったく無関係な理由で自動車ユーザーの負担が増えることになりそうなのだ。その元凶となっているのは、いわゆる「自賠責の運用益6013億円の未返済問題」。


 20年以上前に公共事業などに使う一般会計の補填として、財務省が自賠責保険の運用益から1兆1200億円も借金をし、そのうち6013億円の返済が滞っているため。財務省が借りた金を返さないので、支援事業費が足りないのに、自動車ユーザーに「賦課金」という名目で新たな負担を強いるのはお門違いもいいところ。「ふ・ざ・け・る・な」としか言いようがない。


  しかもこの一連の流れ、秋の臨時国会が閉会したあと、国会の審議を経ず、鈴木俊一財務大臣(自民党)の斉藤鉄夫国土交通大臣(公明党)による大臣折衝で決まったもの。

2023年度から自賠責保険値上げ!! その驚きの理由とは!?

日本の財政を預かる財務省という役所、一方で、「最近のバラマキ合戦のような政策論を聞いていて、もうじっと黙っているわけにはいかない。このままでは国家財政は破綻する」と一見正論※を述べながら、他方で国家としては端金に過ぎない借金すら返さず、被害者たる国民(自動車ユーザー)に負担を押し付け借金を返そうと企画し、こそこそそれを決めてしまう、もうどうしようもない国家中枢の二枚舌です。破綻してるのはお前の思考回路だろ!

そこに税金という形で、金を納めたくないですよね。多く働けば、累進課税という形で多く納める必要があるので、「働いたら負け」というのはそのとおりでしょう。

こういった強者組織の内部で働くのが勝ち組、とも思えません。別に財務省に限りませんが、良心というかDignityというかが欠落した組織(日本中至るところにある)で、まともな精神を持って働いていると、赤木さんみたいに犠牲になるだけですし。この意味でも、「働いたら負け」というのは当てはまるかも。

若い人たちはそのあたりを肌で感じていて、だからこそ、働かないで生きていける生き方(FIRE)という思想が流行っているのだ と思っています。悲しい希望でありますが。

筆者が大学で学生に講義をする中で気がついたのは、将来に対する諦めの意識です。○○したいから就職するというよりも、学校を卒業したら働かないといけないから働く。会社にすべてを注ぐ働き方ではなく、正社員になれて安定した収入が得られればいいという意見がそれなりにあります。
正社員になることができない人も多い中で、ぜいたくに感じられるかもしれません。しかし、頑張っても報われないという諦めのような意識が根底にあると感じます。
そんな中で、収入を貯蓄と投資に集中させ、早期に経済的な自由を得るとことは現実的な「夢」であり、若者にとって数少ない「希望」となりうるのかもしれません。

「何となくFIREで早期退職したい人」に欠けた視点
「自由な生活」を得るために必要な条件とは

まあ、僕自身がそれに踏み出しつつあるから、そう思うのかもしれません。もともと、○○したいから就職するという野望は一切なく、生活のため働かないといけないから 働いていただけなので。それゆえ、倹約生活して投資して、ある段階でストレスの貯まるデスクワークを辞め、Uターンして給与は安いけど定時で帰れるフィールドワークに転職。将来的には、定年前できるだけ早くに自給農家になり、さらにのんびり暮らしたいな と考えています。

多分、将来の日本は、そういう野望のない(希望も持たない)中高年が静かに暮らす国となり、野望を持つ(若い人)は分裂した中国沿岸部(沿岸部の資本主義省連合と、内陸部の共産主義省連合に分かれるのではないか・・・)へ出稼ぎに行く ような国になっていくんだろうと思います。若かったら、中国語勉強しとくべきかと。

※この意見に対しても、賛否両論あります。僕は否定的ですけど、でも、そういう視点もまあある というのは理解できるので、「一見正論」と書きました。

私も30年以上昔から、「これはおかしい」と思っていたのです。何がおかしいかと言うと、一般会計のフローと言って、収支だけで判断する。おまけにストックのところは債務だけしかないという。国の会計は一般会計以外にも、特別会計がたくさんあるのですよ。それがフローの段階では全部合わせていない。さらに、それを全部合わせたもので「バランスシートをつくって、債務だけではなく資産も見なくてはいけない」というのが会計学の基本なのですが、それに反している。

一般会計以外も含めたものを全部つくったのですよね。それで初めてわかったのですが、「財政問題はない」

矢野事務次官の寄稿は「財務省の事務方トップが“会計学に無知識である”ことを世界に晒した」 ~高橋洋一氏が指摘

佐渡金山って「世界に誇る」文化遺産なんですか?

【ソウル=時吉達也】日本政府が1日、「佐渡島の金山」(新潟県)の世界文化遺産への推薦を閣議了解したことを受け、韓国政府は対応部署を新設し、官民を挙げて登録阻止に取り組んでいく方針を打ち出した。韓国メディアは「骨を削るような外交戦へ」(ハンギョレ紙)などと速報している。

佐渡金山 韓国が対応部署 「骨削る外交戦で登録阻止」

はあ。いつもの国が、いつもクレーム。鉄板ネタっすね。律儀なことで。

それはそれとして、そもそも佐渡金山って、「世界に誇る文化遺産」に値するのか、いまいちわからないんですけど・・・ 

国内を代表する金山である「佐渡島の金山」では、江戸幕府の直接管理の下、高純度の金を産む生産技術とそれを可能とする高度に専門化された生産体制が整備され、世界でも類を見ない大規模な金生産システムが長期間にわたって継続していました。これは同じ頃にヨーロッパとその進出先で行われていた動力機械装置を多用する鉱業とは対照的なあり方を示すものです。また、幕府によって日本各地から集められた労働者たちによって、信仰や芸能、娯楽などの豊かで多様な鉱山由来の文化が育まれました。
「佐渡島の金山」では異なる二つの金銀鉱床(鉱脈鉱床・砂金鉱床)の開発が進められ、17世紀には世界最大級の産出量を上げ、江戸幕府の財政やオランダを通じて世界貿易にも貢献しました。
現在、佐渡には金の生産技術に関わる採掘・選鉱・製錬・精錬の遺跡、生産体制に関わる奉行所跡や鉱山集落跡などが残り、鉱山の全体像を理解することができます。
こうした遺跡が良好な状態で残るのは世界的に見ても佐渡だけであり、そこに世界遺産登録の意義があると考えています。

佐渡島の金山 世界遺産登録を目指して

まず後半部から。

当時、佐渡の金山が世界有数の金鉱山であったことは間違いないし、その遺跡が良好な状態で残っているのもそのとおりだと思うけれど、それって「文化的価値」なの?

前半部の文言は、一見意味が取りづらい、でも非常に意味深な迷推薦文ですねえ。「モノは言いよう」というか。

高度に専門化された生産体制が整備され、世界でも類を見ない大規模な金生産システムが長期間にわたって継続していました。これは同じ頃にヨーロッパとその進出先で行われていた動力機械装置を多用する鉱業とは対照的なあり方を示すものです。

同時代のヨーロッパの鉱業で、動力機械が何に使われていたかというと、地下坑道に大量に湧出する地下水をくみ出すためのポンプとして使っていたのです。他方、動力機械のなかった江戸時代の佐渡金山では。その仕事を人力でやっていました(水替人足)。

また、幕府によって日本各地から集められた労働者たちによって・・・

劣悪な環境下での重労働でしたから、初期は高賃金で人を集めていました。が、次第に坑道も深くなり更に労働条件が悪化すると人足のなり手がなくなります。困った幕府は、全国(の農村)から江戸(仕事のある大都会)へ流れ込んだ「無宿人」(戸籍のない人)の排除政策を兼ね、彼らを佐渡に送り、水替人足として使役したのです。その境遇は悲惨でした。

「四十をこえたるはなく、多く三年、五年の内に肉おち、骨かれて、頻りに咳出て、煤のごときもの吐きて死する」

佐渡金山を含め佐渡全島を支配していた幕府の出先機関「佐渡奉行所」の奉行、川路聖謨が「島根のすさみ」に書き記したものです。  

 無宿人とは言えあまりに酷い(量刑期間前に島から抜け出せば死罪) という声も出て、「人足寄場」が設置された という説も。 「鬼平」が関わってくる話(笑)。

江戸幕府の設置した軽罪人・虞犯者の自立支援施設である。
軽度犯罪者・虞犯者に対して教育的・自立支援的なアプローチを取り入れた処遇を行った点が当時としては画期的だった。しかし、実態は現在でいう強制収容所に近く、後述のように問題が多々あった。
人足寄場の設置以前には、無宿者の隔離および更生対策として佐渡金山への水替人足の制度があった。しかし、水替人足は非常に厳しい労役を強いられるものであり、更生というより懲罰という側面が強かった。そのため、犯罪者の更生を主な目的とした収容施設を作ることを火付盗賊改方長官である長谷川宣以(長谷川平蔵)が松平定信に提案し、人足寄場が設置された

加役方人足寄場

佐渡というのは、古事記の「国生み神話」にも出ており、古くから島一つで「佐渡国」を形成していた歴史ある島です(でも、「佐渡国・国司」っていないよな。それでも国分寺は建てられてるな。本田「佐渡守」正信(徳川家康の謀臣) とかいるし・・・)。それに佐渡の小木港といえば、北前船の寄港地として有名。ゆえに、特色ある豊かな文化を持った島だと思います。

が、「鉱山」に限定すると、背景として前述のような人々も含めた上での「多様な鉱山由来の文化」を、誇らしげに発信できるものか・・・むしろ日本文化的には、「秘すれば花」という扱いがふさわしいのではなかったかと。(もうオオゴトになってるから、引くに引けないけど)

いや、もしかして、(それを含めた悲惨なシステムが)長期間にわたって継続していた ことを自賛しているのかな?であれば、それはそれですごい文章です。世界に『日本の「社畜」「過労死」「無理ゲー」「機械化できるものを機械化せず(IT化しない)むしろそれを正当化する」文化的原点ここにあり』と知らしめるのが目的の深謀遠慮なのかも(笑)いや、笑えんな。

ことの発端は、ただ単純に、「西の石見銀山が世界遺産なら、東の佐渡金山も」くらいだったのかもしれないけれど。

そういや某国も「強制徴用」を問題にするなら、この非人道行為をもってふさわしくないと言うなら、イチャモン国家ではなく人道国家として、世界に見直されるんじゃないすか?・・・現在の基準で、歴史を評価してはダメ と言うのが一般的な見方ではあるでしょうけど、彼の国では、非人道的行為は時代を超越する みたいだから、ね。