減税だっていろいろ 咲き乱れるの

明日(7月3日)が参議院選挙の公示日です。今回の選挙は、馬鹿でもわかる「鼻先に人参をぶら下げる」選挙(レース)です。与党は現金給付、野党は消費税減税。我々「馬」は、せいぜいよく考え、騎手を馬鹿して最大限のにんじんを得るようにしたいもの(笑)。

まあ前置きはさておき、「消費税減税」という大枠では一致している野党なんですけど、呉越同舟っていうか、詳細を見てみると結構言ってることが違うんですね。ちょっと見てみましょ~。 (出典は、7月2日付の中日新聞23面に出てた「各党の公約」)

  • 立憲民主党 食料品の消費税率を0%に引き下げ。1年間とし、経済情勢で1回だけ延長可能。国の基金などを財源に充て、赤字国債は発行しない。
  • 日本維新の会 食料品の消費税率を2年間0%に引き下げ。
  • 日本共産党 消費税率を緊急に5%に減税し、将来的には廃止を目指す。必要な15兆円の財源は、大企業や富裕層を優遇する税制を見直して確保する。大企業の法人税率、富裕層の所得税・住民税を合わせた最高税率を引き上げる。
  • 国民民主党 消費税率は実質賃金が持続的にプラスになるまで一律5%に引き下げる。
  • れいわ新選組 消費税は即時廃止。失われる税収は、法人税引き上げ、富裕層への所得税の累進強化、金融所得への課税強化、国債発行で補う。
  • 参政党 消費税は段階的に廃止する。
  • 社民党 食料品の消費税率0%を即時実現する。
  • 日本保守党 酒類を含む食料品の消費税率を恒久的に0%にする

「食料品の消費税率だけ」を減税するのか、「消費税すべて」を対象にするのかも違うし、(保守党の「酒類を含む食料品」ってなんだよ惹かれるじゃねーか(笑))5%に下げるのか全面廃止(0%まで下げる)かも違います。さらに即刻廃止するのか、段階的に廃止するのか、いろんな色がついています。

さらに減税した際の代替財源案まで書かれている党、代替財源がまったく書かれていない党とこれもいろいろ。

個人的事情で「富裕層への増税や金融課税」という点で賛成はできないのだけれど、政策としては共産党やれいわがきちん目配りしたうえで書けている気がします。実現可能性は知らんけど。

主要野党の文言で気になるのは、立憲と維新が「2年間引き下げ」と期限を区切っているところがすごく気になります。食料品の消費税減税をするのは物価高対策が目的だと思うんですが、この不透明な世の中で、それがたった2年でおさまる確かな根拠でもあるんでしょうか?  ないよね・・・仮にその時物価高が続いていても「2年経ったんで増税します」って言うってことだよね、これ。アンタら鬼だな。

それに比べれば、国民の「実質賃金が持続的にプラスになるまで引き下げる」というのは、「物価が落ち着くまでは減税やります」と言うことなので評価できます。物価が上がっても、それ以上に賃金が上がっているなら、一応物価対策はできてるってことだから。

ってことで、僕的には国民民主党だなと思ってたら、こんなニュースが。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は1日、朝日新聞などのインタビューで、賃上げの現状を踏まえて「消費税を減税してまで景気を刺激するような状況にはない」と述べた。国民民主は参院選の公約で「実質賃金が持続的にプラスになるまで消費税は一律5%」と記し、消費減税を掲げている。
 玉木氏はインタビューで、賃上げ率が平均で5.26%になったとの連合の6月上旬の集計を念頭に、消費減税の主張見送りの可能性に言及した。一方で「問題はトランプ関税だ」とも指摘。「自動車が売れなくなると、企業・産業に影響を与える。ここを見定めて、減税の可否を判断する」と述べた。

国民・玉木代表「消費減税の状況にない」 賃上げ状況を踏まえ言及

絶句。ねえ、君馬鹿なの?馬鹿なんだろうな・・・ いや、政策コンサルタントなら、君の言動は正しいよ。でも、アンタは政治家なんだよね。政治家の最大の仕事は「選挙に勝つこと」どんなによい政策を掲げていても選挙に勝たないとまったく意味がありません。

各党が、馬に人参をぶら下げまさに出走するタイミングで、「うちは人参しまう可能性もあるよ」と・・・ 人間としては正直なのかもしれないけど、選挙に臨む政党党首として、もとい政治家としてはダメにもほどがあります(この発言で負けるじゃねーか。)。不倫疑惑とか人を見る目のなさとかは許すとしても、この発言に非常にがっかりした。

もう一人、がっかり発言だよなと思うのが、自民党の森山幹事長。こちらは頑として消費税減税をしないのだけれど。 

「消費税という税制は、国民から評判が悪い。しかし、これがあるからこそ社会保障が、何とかなっている」とも主張した。  野党から、消費税廃止や減税を訴える声があることに触れた上で「社会保障の財源、地方自治体の財源をどこに求めるのか、おっしゃらない議論の方が多いように思う」と主張。「消費税は、社会保障を担保している税制と、どうかご理解をいただきたい」とあらためて訴えた。

「消費税は国民に評判が悪いが…」自民・森山幹事長が訴え「社会保障を担保。どうかご理解を」

この発言も、有権者を馬鹿にしてるよな って思う。 なぜ 社会保障の財源=消費税 なのか。 社会保障の財源が大事というのは誰も反対はしていない。 反対しているのは、その財源を消費税に固定していることに対してだ。 社会保障の財源と消費税を切り離せば、消費税の減税だって可能になる。

てか、それを切り離すと減税反対の論が立たないから「=」にしているわけだけど。でも有権者もそれに騙されるほど馬鹿じゃない(と思いたい)

財務省

そんなに言うなら、消費税の税収は地方交付税交付金として地方に回せばいい。あるいは国債費に充てる。 で、それで浮いた一般会計予算を社会保障費に回す。

本来税金として集めたお金に色はついてない。いや消費税については、一応ついているんだけど、それは法律でそのように定めただけの話。でも森山君は政治家なんだから、それを変更することができる(というかそれが政治家の仕事)。ただ、したくないだけ。

そのへんを熟知したうえで、社会保障の財源=消費税 社会保障は減らせないから消費税減税不可と 相手を馬鹿にした議論をするから腹が立つ。(前提が間違ってんだよ!と取材するマスコミが突っこめよ。)

地方交付税交付金が減額になったとしても、その分国から地方へ振る仕事を無くす。(例えば「二万円給付の事務は一切地方自治体にやらせない(国で手続きをやる)」と言えば地方は案外納得したりするかも(笑)。

全国の政令市長でつくる指定都市市長会は7日、給付金事業について、市区町村に負担が生じているとして、国の責任の下で一元的に行うよう求める緊急要請書をデジタル庁に提出した。

指定都市市長会、「給付金」事務は国の責任で実施して…デジタル庁に緊急要望書

そうすると国の事務能力がパンクするから(国にはそういう実務能力はない。これまでは地方自治体に無償丸投け)、「税金集めて給付するより、減税でその事務仕事なくそう!」となれば、いいよね・・・実際には予算配分こそが権力の源泉なので、国がその権限を自分から無くすことはないが。

そもそも、政府は直接「賃上げ」できないのに、どうしてそれが政策の基本になるの?

石破首相はすさまじい経済音痴ですけど、政策として「消費税減税より賃上げの実現が基本」とか、もうほんとにウンコ過ぎ。あるいは理想的にはそうなのかもだけど、実現可能性があるの?という観点から、政府政策としては妥当ではないと思う次第です。 

石破茂首相(68)は17日午後(日本時間18日午前)、カナダで開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)への出席後の記者会見での物価高対応についての発言「減税より給付」「決して少なくない」がX(旧ツイッター)上でトレンド入りした。

首相は「消費税減税などの減税政策よりも、物価上昇に負けない賃上げの実現こそが基本であり、急務だ」と強調・・・現金給付について「消費税減税よりもはるかに効果的だ」と述べた。

石破首相の「減税より給付」「決して少なくない」トレンド入り、国民一律2万円の現金給付

減税なら政府が「減税」と決めれば実現できます(国税なら特に)。でも、賃上げは政府が直接実現する手段はありません。なのに後者を政策の基本に据えて、んで、どうやって実現するん?

あなたの給料が上がるとすれば、それは会社が賃上げしてくれるから、ですよね。つまりあなたと会社の問題であって、政府は直接は関係ありません。 (アナタが国家公務員なら雇用主は「政府」ですから直接関係しますけど。ま、それはレアケースです。)

政府ができることは、企業への賃上げ要請とそのための環境整備・・・間接的に関係してくるというか・・・で・・・ 僕らはその顛末も知ってますよね。

政府は26日、労働団体と経済界の代表らと「政労使の意見交換」を開催した。石破茂首相は来年の春闘では33年ぶりの高水準となった2024年の勢いで大幅な賃上げを実現するよう求めた。  

 石破首相は協議終了前のあいさつで、政府としても「賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る」状況を目指し、環境整備などに取り組む考えを示した。最低賃金については2020年代に全国平均で時給1500円を達成するとの目標に向け、「たゆまぬ努力を進める」と指摘。来春までに対応策を取りまとめるよう関係閣僚に指示した。

石破首相、24年春闘を上回る高水準の賃上げを要請-政労使協議

ことし2月の働く人1人当たりの現金給与の総額は、前の年の同じ月と比べて3.1%増えたものの、物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず、実質賃金は1.2%減少し、2か月連続のマイナスとなりました。

実質賃金1.2%減 2か月連続マイナス 物価上昇に賃金追いつかず

こんな風景を、石破首相でも、岸田首相でも、安倍首相でも見てきた気がします。

うまくいかなかったんだよね。

だからもう間接的な政策ではなく、政府が直接実施できる政策で、実質的な賃上げを狙うしか手段はないと思うんですよ。 んで、政府が直接実施できる数少ない手段が、減税じゃないのかな、と。

このロジックなら給付でもいいんでしょうけど、いったん集めた税金を膨大な事務費かけて再配布するくらいなら、最初から「取らない」方が余計な事務いらない分、みんなハッピーだと思うんだけどね。あと本音として、分配先を「バカな奴らに都合よく」決められたくない(奴らを選んだのも自分らだけどな・・・)。

減税する財源がないからできない?自民党は保守政党だそうですから、ぜひ古の天皇の故事を学び、自省し実施いただきたいものです。

仁徳天皇がある時に高い山に登って民の暮らしを見渡したところ、炊煙が上がっていない人家を見つける。この時に仁徳天皇は、この地域は水が少なく、災害や飢饉に見舞われており、人々は食べるものも十分に手に入れることができていないために炊煙が上がっていないのだろうと推測する。このことから仁徳天皇は3年間、税を免除した。そして民の生活が豊かになるまでは食事も着る者も倹約して、宮殿の屋根の茅の穿き替えも行わなかった。仁徳天皇のこの仁愛が通じたのか民は熱意を持って働くようになり、次第に豊かさを回復していくようになる。宮殿が荒れていっても仁徳天皇は自分はもう富んできたと言い、それは天が人君を立てるのは人民のためであるため人民が根本であるという考えからであった。

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