自然探訪シリーズということで。
国指定の天然記念物です。パッと見た感じでは、へぇ~って感じですが。というのも、主幹が枯死しているから、樹齢の割にはこじんまりとしているからだと思います。それでも樹齢千年と推定される県下最大の古木ということです。
それでも、主幹が枯れていることは、文化財としては問題ではないみたいです。昭和8年に天然記念物に指定された際、すでに枯れていたみたいですから。ひこばえたちは、まだまだ元気に見えましたよ。
指定文書を石碑にして新たに建てた説明書きが。面白いから、転記します。
説明 目通幹囲8メートル 主幹は朽ちたるも数本のひこばえ出て、鬱蒼たる樹木にして巨樹として有数たり。
注意
一 構内に立ち入り根に傷せざる事
一 枝葉の伐採を為さざる事
一 その他樹木を棄損する行為をなさざる事
右犯す者は国法に依り処罰せらるべし
昭和八年五月十日 文部省
「国法に依り処罰せらるべし!」気概がいいですね〜。
さて、この神社は貞観年間(859〜877)創立と伝えられています。祭神は天照大神等。まあ拝殿のすぐ前にシイがありますから、木がご神体みたいなもんです。
寛文二年(1625)の再建には、この地とされる武将の加藤嘉明(よしあき)が力を貸したそうです。そして、神職に「加藤」の姓を与え、昭和初年に「生誕地」の石碑が建てられたそうな。
加藤嘉明 賤ヶ岳七本槍の一人 水軍の武将として有名(九州征伐や文禄・慶長の役)。豊臣・徳川につかえた大名で伊予松山、陸奥会津藩主。
ぱっと碑を見たとき、「加藤高明」だと思ってびっくりしてしまいました。愛知県出身の、第24代内閣総理大臣です。残念・・・こちらは愛西市の出身のようです。名前が似てますが、改名したもので加藤嘉明とのつながりはなさそうですね。
帰りがけ、涼を求めて平原の滝に立ち寄ります。
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たいてい下の写真が、「平原の滝」として有名です。滝行やったりとか。
でも・・・僕はこれ、「滝の写真」じゃないと思うんですよね。 確かに落差はありますが、背面はコンクリートでガチガチに固められているし、そこに竹の水路を突き出した人工構造物だし。滝ってのは、基本的に自然構造物だと思うんだよね。滝行の行場撮影なら、これでもいいけど。
実際現地に行ってみると、こちらは「小滝」と呼ばれ、その奥にちゃんとした滝(大滝)があります。なんだ、こっちを滝の写真に使えばいいのに。
傍らには薬師堂もあり、修行の場であることがわかります。この滝は慈覚太師(円仁)が平原の里に泊まった時、不思議な夢を見てこの山に滝があることを発見し、薬師如来を彫って祭ったのが始まりとか。それ以来、滝は「薬師の滝」と呼ばれ、滝水を飲めば長寿に、打たれると難病も治ると伝えられているそうです。
ただし、「飲用には適さないので、飲むな〜」と看板が立ってますが。
まあ、霊験はともかく、山の中で水の近くにいますから、わりと涼しいです。とはいえ、駐車場には電光掲示板を備えたカラオケスペース?があり興ざめ。そんなことは町でやればいいのに。
キャンプ場も併設されていますが、観光通路のすぐわきで、ここでキャンプするのはちょっと抵抗あるな〜。 観光地としての洗練度は、いまいちといった感じでした。